発汗の使命
発汗の仕組みが熱を放散することだったら、暑いところへなど出ずに日常生活で汗をかく必要がなければ汗の出るシステムなどいらない、と思うかもしれません。しかし、人間の身体は必ず熱が発生するようにできているのです。それを汗などで放散しなければ、発生する熱は高くなる一方です。食事で摂った栄養分を、タンパク質や炭水化物などの栄養素に分解し、身体に必要なエネルギーに変えることを代謝と呼ぶのですが、実はこのときに大変な熱が発生するのです。
この代謝時に、発生した熱を放散して一定の体温に保つ身体のシステムがなければ、熱はいくらでも上昇する一方で、特に脳や内臓などは熱に弱く、43度を超えるようになると細胞を溶解してしまうため、そのままでは私達の生命も危ぶまれます。そこで重要な使命を持つ汗が活躍するのです。汗は、発汗して蒸発する際に気化熱を奪うことで、体内に発生した熱を下げてコントロールするという重要な役割があるのです。
このように、発汗のシステムは私達が生きていくために必要不可欠の大切なものなのです。したがって、発汗を不自然に抑えてしまうことは、身体の機能にとって決して良いはずがありません。汗はかかないのではなく、良い汗をサラッとかく習慣を身につけていくことが、大切な使命を持った汗との上手な付き合い方なのです。